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蛙なく不審尋問蛙なく 名もなき小さき力なき それでも声をあげる 草や路上 汗にまぎれた生活の詩


by tatazumi
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風土病(日本・釜ヶ崎)  森先弘

●風土病(日本・釜ヶ崎)  森先弘
来る日も来る日も重労働
来る日も来る日もアルコール
来る日も来る日もドヤぐらし来る日も来る日もチリホコリ

ある日あんまりしんどうて
休んで空気吸いにゆき
ふと気がついたら40代

それから

毎日何時でも働けず
毎日何時でも呑めんようになって
毎日何時でも病院通い

肝ぞう 胃腸 肺結核
ヘルニヤ セキツイづれ曲がり
首、肩、背中、腰痛
筋肉痛、神経痛

こんなにしんどうて痛いのに
のむなのむなとボロのチョン
先生言うたやないか
釜の風土病やて
なんとかなれへんねやったら
俺のむでェー

生きたら生きるほど働かんならん
どうせわいらは野たれ死に

住所不定
身元引受人なし
インターンの解ぼう材料
無縁仏
ナンマイダー

 彼は健康な間 港湾荷役 道路下水河川工事 ビルディング住宅を建て、資本主義文明建設、開発に骨身をくだきました。病気になってからは、病院のモルモットとなり、死んでからは解ぼうされ、その死体は、生前縁の深かった、天王寺動物園の動物達に肉をやってくれ、と本人がのぞみ、無縁仏となりました。―42才

チリホコリ動物園のエサとなる
(労務者渡世25号、森ひろし
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by tatazumi | 2011-03-13 12:16 | 森先弘 | Comments(0)