人生の詩 中宮竜善5
2011年 03月 13日
寄場日雇・野宿生活 私の出会った詩と詩人51 橘安純
人生の詩 中宮竜善5
●我息吹
枯れ木の中から
一粒の新芽が息を吹き、
生をなし、
押し潰されながらも、
この世の物を我身に焼き付けんとする、
自然の力強さ、広大さに
眼を向けさせてくれた、
この地、釜ヶ崎に根をおろしてゆきたい。
●流秘
冷風にあおられ、寒風に身をちぢめ
眠りつく淋しさを誰にも流秘にして
雑踏の中
晴れやかな輝きを求めて
露雨に素裸をたたき
我身を世間にさらけだす無残さを
誰にも流秘にして
雑街の中へ
澄みやかなネオンを求めて
秘めて 流れ路地へ
●浮浪の旅
人生の浮き沈み、はげしく
幸福という島にたどりつくこと能わず
浮浪人生の旅となる
一人寂しく涙も枯れ、わびしく
幼なき夢 胸に託し 寝返りうち
浮浪人生の夢となる
故郷にかえりたくも みずほしく
叫び声空しく 帰ること出来ず
浮浪人生の唄となる。
●灯が見たものは
寒むざむとした 夕暮に
ネオンが所々に灯りはじめ
人々の足どりも 早やばやと
家路へ 家路へと急ぐ。
夜も更けて 吹きすさぶ風の中
ネオンもポツリ、ポツリ消えはじめ
暖簾がザワザワと人々の雑談耳にし
気にもかけず 一人静かに グラス
片手に
帰りたくも 帰る所もなく
カーライトの灯り 電灯がわりにし
道路高架下で 毛布一枚だ眠る。
他人は 嘲るように我の場を 去り
ゆく。
*暖簾:のれん 嘲る:あざける
●流息 我身
鼻息もあらく 通り過ぎ
一息下がりの瞳で 家路へと去りゆく
一人ぼっちで 人雑な街並みを
さまよい歩く
我身のつらさ 誰も知らず
冷風にあおられて 人生を歩みゆく
我息の流れ 延命の心隠し通し
一人ぼっちで ネオン街をさまよい
歩く
我息の強さ 誰も知らず
世間の雑息に 心情をかくし
生きる仲間の 生命の強さを
我心に与え 生きる勇気を秘め
さまよい歩く
生命の強さ 誰も知らず
人生の詩 中宮竜善5
●我息吹
枯れ木の中から
一粒の新芽が息を吹き、
生をなし、
押し潰されながらも、
この世の物を我身に焼き付けんとする、
自然の力強さ、広大さに
眼を向けさせてくれた、
この地、釜ヶ崎に根をおろしてゆきたい。
●流秘
冷風にあおられ、寒風に身をちぢめ
眠りつく淋しさを誰にも流秘にして
雑踏の中
晴れやかな輝きを求めて
露雨に素裸をたたき
我身を世間にさらけだす無残さを
誰にも流秘にして
雑街の中へ
澄みやかなネオンを求めて
秘めて 流れ路地へ
●浮浪の旅
人生の浮き沈み、はげしく
幸福という島にたどりつくこと能わず
浮浪人生の旅となる
一人寂しく涙も枯れ、わびしく
幼なき夢 胸に託し 寝返りうち
浮浪人生の夢となる
故郷にかえりたくも みずほしく
叫び声空しく 帰ること出来ず
浮浪人生の唄となる。
●灯が見たものは
寒むざむとした 夕暮に
ネオンが所々に灯りはじめ
人々の足どりも 早やばやと
家路へ 家路へと急ぐ。
夜も更けて 吹きすさぶ風の中
ネオンもポツリ、ポツリ消えはじめ
暖簾がザワザワと人々の雑談耳にし
気にもかけず 一人静かに グラス
片手に
帰りたくも 帰る所もなく
カーライトの灯り 電灯がわりにし
道路高架下で 毛布一枚だ眠る。
他人は 嘲るように我の場を 去り
ゆく。
*暖簾:のれん 嘲る:あざける
●流息 我身
鼻息もあらく 通り過ぎ
一息下がりの瞳で 家路へと去りゆく
一人ぼっちで 人雑な街並みを
さまよい歩く
我身のつらさ 誰も知らず
冷風にあおられて 人生を歩みゆく
我息の流れ 延命の心隠し通し
一人ぼっちで ネオン街をさまよい
歩く
我息の強さ 誰も知らず
世間の雑息に 心情をかくし
生きる仲間の 生命の強さを
我心に与え 生きる勇気を秘め
さまよい歩く
生命の強さ 誰も知らず
by tatazumi
| 2011-03-13 11:27
| 中宮竜善
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