人生の詩 中宮竜善4
2011年 03月 13日
寄場日雇・野宿生活 私の出会った詩と詩人50 橘安純
人生の詩 中宮竜善4
●同志世界
うす汚れた私の姿を
誰もが どことなく見て
そして 爪弾きするかのように
声をかけてくれることすらなく
遠ざかり 私の前から離れてゆく。
人は誰も この地上で生まれ育ち
言語はちがっても
同じ人間であることにかわりない。
人間として生活を営む場が
どこで生活あろうとも
人間であることにかわりない
私の心情を分かってほしい
●我身の心
夕日の沈む路地から路地へ
当てもなく廃品物資を
貪るように、集めて廻り
一日の糧として金品に変える時の
空しさを誰が知る。
突風が吹き抜け、寒さに体をふるわせ
ビルの軒先を転々と寝ぐらをさがし
さまよい歩き
人の生活の安眠すら知らず
寒風に身をさらす惨めな己が姿の思いを誰が知る。
*貪る:むさぼる 惨め:みじめ
●日々の如く
世間は 野良 流れ者と
我々を軽蔑し、かつ恐れている
我々も同じ世間に生まれ
生活を営んでいる人間だと知ってほしい
我々は一般社会で嫌われている
三Kという仕事に日々の糧を求め
生活の灯を精一杯かかげた生活を
営んでることを知ってほしい
我々には日々仕事ができるわけではなく
仲間の全てが仕事にありつけるとは限らない。
その日、その日の暮らしで枕する所すらなく
野宿に追いやられ
貧窮の生活にあえいでいる仲間がいることを知ってほしい
*糧:かて 貧窮:ひんきゅう
●流変街
放浪の心を秘め、
憧れと夢を抱き、
この街へたどりつき
見れば、なぜか人雑でうすく暗く
夢も消え、心満たすことも出来ず
誰からも見離され
一人ぽっちの流変街なり。
雑街の中から新芽が生まれ育ち
若木の街に望み抱き歩み寄れども
身を寄せる所なく 流変街なり。
●路地裏人生
この地にある各路地には
隠れた人生があり
一人、一人の生命を育む
路地裏に人生という流れが生きている
どこの街にもある路地なのに
この地の路地裏には人の心を引き寄せ
命を与えてくれる息吹がある。
流れ歩く一人、一人の心に
ふんわりとした温かい綿雲を与えてくれる路地裏人生
そこには人生の苦しみ、悲しみが漂うなのに なぜか
知らず、知らず心が引き寄せられ
生きる勇気を与えてくれる
この地の路地裏にも
密やかで、確かに人生がある。
人生の詩 中宮竜善4
●同志世界
うす汚れた私の姿を
誰もが どことなく見て
そして 爪弾きするかのように
声をかけてくれることすらなく
遠ざかり 私の前から離れてゆく。
人は誰も この地上で生まれ育ち
言語はちがっても
同じ人間であることにかわりない。
人間として生活を営む場が
どこで生活あろうとも
人間であることにかわりない
私の心情を分かってほしい
●我身の心
夕日の沈む路地から路地へ
当てもなく廃品物資を
貪るように、集めて廻り
一日の糧として金品に変える時の
空しさを誰が知る。
突風が吹き抜け、寒さに体をふるわせ
ビルの軒先を転々と寝ぐらをさがし
さまよい歩き
人の生活の安眠すら知らず
寒風に身をさらす惨めな己が姿の思いを誰が知る。
*貪る:むさぼる 惨め:みじめ
●日々の如く
世間は 野良 流れ者と
我々を軽蔑し、かつ恐れている
我々も同じ世間に生まれ
生活を営んでいる人間だと知ってほしい
我々は一般社会で嫌われている
三Kという仕事に日々の糧を求め
生活の灯を精一杯かかげた生活を
営んでることを知ってほしい
我々には日々仕事ができるわけではなく
仲間の全てが仕事にありつけるとは限らない。
その日、その日の暮らしで枕する所すらなく
野宿に追いやられ
貧窮の生活にあえいでいる仲間がいることを知ってほしい
*糧:かて 貧窮:ひんきゅう
●流変街
放浪の心を秘め、
憧れと夢を抱き、
この街へたどりつき
見れば、なぜか人雑でうすく暗く
夢も消え、心満たすことも出来ず
誰からも見離され
一人ぽっちの流変街なり。
雑街の中から新芽が生まれ育ち
若木の街に望み抱き歩み寄れども
身を寄せる所なく 流変街なり。
●路地裏人生
この地にある各路地には
隠れた人生があり
一人、一人の生命を育む
路地裏に人生という流れが生きている
どこの街にもある路地なのに
この地の路地裏には人の心を引き寄せ
命を与えてくれる息吹がある。
流れ歩く一人、一人の心に
ふんわりとした温かい綿雲を与えてくれる路地裏人生
そこには人生の苦しみ、悲しみが漂うなのに なぜか
知らず、知らず心が引き寄せられ
生きる勇気を与えてくれる
この地の路地裏にも
密やかで、確かに人生がある。
by tatazumi
| 2011-03-13 11:18
| 中宮竜善
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