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蛙なく不審尋問蛙なく 名もなき小さき力なき それでも声をあげる 草や路上 汗にまぎれた生活の詩


by tatazumi
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武器はみんな捨てろ 井之川巨

●武器はみんな捨てろ
井之川巨

むかしおれは軍国少年だった
敵をわら人形にみたてて
竹槍でつきさす訓練をした
だけど敵は原爆をおとした

愛するにあたいする国なんて
どこにもありゃしない
愛する人、愛する山や河があるだけ
それを踏みにじり肥大していく帝国

きみの心のなかから
愛国心という怪物をたたきだせ
この怪物がながらえるかぎリ
地球に平和はやってこない

平和のために街をやく戦争
正義のために大量殺戮をくりかえす戦争
石油のために人間の血をながす戦争
だまされてはいけない

戦争はまず障害者をころす
そしてつぎに
戦争はたくさんの障害者をつくる
障害者こそ平和の砦だ

人間はやがてみんな死ぬんだ
それなのに武器で殺すことはないじやないか
三歳のこどもや命をやどす女たち
八十歳をすぎた老人までも

街が炎上するきまを
クリスマスツリーのように美しかったという
そのむじやきな嘆声は
死者たちのかなしみを三度辱める

ぼうや、よくみてごらん
あの夜空をいろどる無数の光は
花火でもテレビゲームでもありません
爆弾でとびちる人びとの命のしぶき

帝国は朝鮮でベトナムで
グレナダでパナマでバレステナでイラクで
何羽のハトところせば気がすむんだ
武器はみんな捨てろ
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by tatazumi | 2011-01-22 16:39 | 井之川巨 | Comments(0)